こんにちは。てらもと介護用品レンタルです。
今回はあまり知られていないと思われる福祉用具、『移乗用具』についお話しします。
※移乗とは、何かに乗り移ること。
例えば、ベッドから車いすに移ることや、ポータブルトイレからベッドに移ること等を言います。
介護に携わる方にとって職業病とも言われる腰痛ですが、その要因として挙げられることが“移乗介助”です。
介護技術も介助をする側・介助を受ける側双方の身体的負担を軽減させる方法が開発され、どんどん新しくなっています。
介護施設などではそういった新しい技術を取り入れているところも少なくはないでしょうが、一般のご家庭ではなかなか難しい事だと思われます。
移乗に伴う負担は介護者(ご家族様等)の身体を悪くしてしまうことはもちろんですが、介護を受ける側、つまりご利用者様にとっても精神的な不安や苦痛を与えてしまう場合があり、それがもとで転倒事故等につながる危険性もあります。
そこで負担が少なく、安心・安全に移乗をおこなっていただくために福祉用具の活用をお勧めします。
移乗用具は大きく分けて3種類に分類されます。
①ベッド・車いす間の移乗をスムーズにする“スライディングボード”
②立ち座りや歩行のサポートに“介助ベルト”
③ベッド上での体位変換や移動のサポートに“スライドシート”
今回は①のスライディングボードから『エタックボード』(パシフィックサプライ株式会社)をご紹介します。
長さ60cmx幅33cm、耐荷重130kgのボードです。
使い方は、簡単に説明しますと・・・
車いすをベッドに横付けし、このボードの片側をご利用者様の臀部(おしり)の下に差し込み、反対側をベッド(または車いす)の端にしっかりと乗せます。
そして、そのボードの上を臀部を滑らすようにして移動するというものなのですが・・・文字だけでは伝わりにくいですよね(^^;
メーカーさんのWEBサイトで使い方の図解と動画が載っていますので、詳しくは下記のリンク先をご覧ください。
http://www.p-supply.co.jp/products/141
ここで少し、スライディングボードを導入した、とあるご家庭のお話をご紹介したいと思います。
疾患により立ち座り動作が困難なご主人とその介護にあたる奥様の二人暮らしの、いわゆる老々介護といわれるご家庭です。
ご主人の移動手段は車いすのため、ベッドから車いすに移る必要があるのですが自力では困難です。
そこで奥様が介助にあたるのですが、自分よりも大柄なご主人を抱え上げ、向きを換え、ゆっくりと座らせる・・・この一連の動作にかかる奥様の身体への負担は相当なものでした。
ある日、レンタル品のメンテナンスで訪問させていただいた際に、奥様が「最近、車いすに乗せるのがしんどくなってきてね。私も歳やからね・・・。」とポロっとこぼされました。
そこでスライディングボードを案内させていただき、「そういう物があるなら試してみようかな。」と、まずはデモ利用(お試し)からはじめることとしました。
はじめはなかなか慣れずに「あんまり変わらへんかなぁ・・・。でももう少し使ってみるわ。」と苦笑いでおっしゃっていましたが、毎日使っていくうちに少しずつ慣れていったようで、先日サービス担当者会議のために訪問させていただいた際には、「これね、使ってるよ!すごい助かってるよ!」と笑顔でおっしゃっていただきました(^^
ご家庭の中で介護をする側が身体を悪くしてしまうと、介護を受ける側もとても困ってしまいます。
いかにして介護者の負担を減らすかも介護現場での重要なテーマです。
介護をする側、介護を受ける側双方が安全に、そして安心して生活が送れるように福祉用具を使ってみてください!
もちろんデモ利用(お試し)も可能ですので、「どんなのかな?」と迷っている方には、実際に体験してみてから、継続してご利用されるかどうかの判断をしていただくことができます。
スライディングボードのレンタルには介護認定状態等ケアマネージャーとの確認が必要ですが、ご遠慮なく、てらもと介護用品レンタルまでご相談ください。
2013年8月9日
9:00 AM |カテゴリー:
てらもと介護用品レンタル