61)50歳代、女性。右側腹部痛 |
>画像所見 : 上行結腸内腔に糞塊がやや目立ち、壁外に突出する憩室が多発している(→)。結腸周囲脂肪織の混濁も明らかで、腹痛の部位とも一致していた。 >診断 : 結腸憩室周囲炎 >解説 : 大腸憩室の発生率は加齢と共に増加し、40歳代で5〜10%、60歳代以降では約50%の頻度でみられる。便通異常や腹痛、鼓腸などの愁訴を伴うことも多く、重篤な合併症として大量出血や憩室炎、さらに穿孔をきたして結腸周囲膿瘍や腹膜炎をきたすことがある。本例は、右下腹部痛が強く、急性虫垂炎が疑われたが、CTで憩室が明瞭に描出され、憩室周囲の脂肪層のdensity上昇(dirty fat sign)も明らかなことから、憩室周囲炎と診断できる。抗生剤の投与などの保存的治療で軽快した。 |
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