日々の症例 56 項靭帯石灰化症の4症例



 


56) 項靭帯石灰化症の4症例。いずれも60〜80歳代、男性。無症状。


>画像所見 : 頚椎X線写真側面像で第4-5頚椎棘突起の後方に細長い石灰化影がみられる(←)。CTでは棘突起の後方で項靭帯に一致した石灰化であることがよく分かる(↓)。
>診断 : 項靱帯石灰化症(Barsony disease)
>解説 : 項靱帯が限局性に石灰化したもので、中年以降の男性(男女比2:1)や透析患者にしばしばみられる。加齢による退行性変化と考えられており、病的意義は少ない。
項靱帯は後頭隆起から第7頚椎棘突起にかけてほぼ正中に位置する線維弾性組織で、各頚椎の棘突起を繋いでいる棘上靱帯とも連続している。側面像で明らかなように、C3-5の棘突起は短く、項靭帯の石灰化はこのレベルに好発する。

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