日々の症例 28 橈骨疲労骨折



 


28) 
50歳代、男性。庭園業。13年前に左橈骨骨折。5年前から左手首の痛みと腫脹がある。


>画像所見 : 左橈骨骨幹端を中心にして骨膜反応と骨硬化像がみられ、骨シンチで強い取り込みがみられる。CTからは病変が骨皮質に比較的限局していることが分かる。
>診断 : 橈骨疲労骨折
>解説 :疲労骨折は「正常な骨組織に対して一度では骨折を起こさない程度の外力が繰り返し加えられ、骨の連続性が次第に途絶して生じる骨折」と定義されている。本例は庭園業という職業上、手首への過度の外的ストレスがあり、安静にて軽快する左手首の痛みと腫脹を長年訴えている。鑑別疾患として、骨膜下膿瘍(cortical bone abscess), 類骨骨腫, Brodie骨膿瘍, 傍骨性骨肉腫などがあげられる。これまで二度のopen biopsyが施行されており、骨腫瘍や炎症性病変は否定されている。 

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