日々の症例 227 くも膜下出血 ( SAH )




22770歳代、女性。急激な頭痛。10分ほどで治まったが、心配なので来院した。

>画像所見 : 側脳室下角の拡大と海馬萎縮が目立つが、脳溝はむしろ狭小で、脳腫脹が疑える。脳底動脈先端に動脈瘤がみられる(↑)。鞍上槽(ペンタゴン)、迂回槽、両側Sylvius裂の髄液濃度は上昇している。比較のために提示した別症例の随液腔の濃度と比較すれば一目瞭然である。
>診断 : SAH
>解説 : 
緊急でbasilar top aneurysmに対してコイル塞栓が施行された。くも膜下出血が必ずしも高濃度にならないことは肝に銘じなければならない。原因としては、髄液による血液の希釈や高度の貧血などがあげられる。研修医時代、先輩医師から両側のSylvius裂に濃度差があればSAHを疑え!と何度も言われたことを思い出す。

 

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