日々の症例 215 腱鞘巨細胞腫




21560歳代、女性。右示指伸側の腫瘤

>画像所見 : 左示指中節骨背側で指背腱膜に接してT1強調像、T2強調像ともに低信号を呈する腫瘤がみられる。一部は腱膜を取り巻くように増大している。
>診断 : 腱鞘巨細胞腫(giant cell tumor of tendon sheath

>解説 : 
腱鞘巨細胞腫は手指に好発する腱鞘滑膜由来の腫瘍である。病理組織学的には大きな関節に発生する色素性絨毛結節性滑膜炎(PVS)に類似しており、いずれもヘモジデリン沈着や線維性成分を反映してT1T2ともに低信号を示すのが特徴。
 滑膜由来の悪性腫瘍は極めて稀で、本例も切除手術が施行されたが、悪性所見はみられなかった。

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