日々の症例 206 前立腺癌




20660歳代、男性。PSA異常高値。

>画像所見 : 前立腺辺縁域78時方向にT2強調像で境界明瞭な低信号域がみられ、DWIで高信号、ADCマップで低信号を示している。T2強調像で低信号に描出される前立腺被膜の連続性は保たれている。
>診断 : 前立腺癌
>解説 : 
前立腺は辺縁域と内腺域(中心域、移行域)に分けられ、T2強調像で前者は高信号、後者は低信号に描出される。
1)辺縁域 peripheral zone:内線域の外〜背側で70%を占め、前立腺癌の70%はここから発生する。前立腺炎の好発部位でもある。T2強調像では辺縁域の高信号を背景として、前立腺癌が低信号結節として確認できる。
2)中心域 central zone:射精管周囲で25%を占め、前立腺癌はまれ。
3)移行域 transitional zone:尿道の両側で前立腺の5%を占め、BPH の大半はここから発生する。前立腺癌の25%はここから発生する。

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