日々の症例 203 CT コロノグラフィー




203-170歳代、女性。便潜血。

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A:仮想内視鏡像(Virtual endoscopy:VE)   B:大腸内視鏡像 
C:仮想注腸像(air image)  D:仮想切除標本像(Virtial gross pathology:VGP)  
E:切除標本
>画像所見 : 盲腸に3cm大のヤツガシラ状のpolypoid lesionがみられる(↓)。
>診断 :
盲腸癌
>解説 : CT装置とコンピューター(ワークステーション)の高性能化によって、仮想内視鏡像、仮想注腸像、さらには仮想切除標本展開像といった大腸CT (CT-ColonographyCTC)が実物と遜色のない画像として得られるようになってきた。平成244月の診療報酬改訂で保険適応にもなっている。従来の注腸X線検査や内視鏡検査と同様の洗腸前処置が不可欠だが、被験者は寝ているだけで検査が終了する。前処置や画像処理の方法などについて急速に改良が加えられており、今後の普及が期待される。

  203-260歳代、男性。下痢が続く。

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A:仮想内視鏡像(VE)   B:大腸内視鏡像 
CCT angiographyCTA,動脈相)   Dmultiphase fusion
>画像所見 : 上行結腸に3型大腸癌がみられる。CTAでは軽い腫瘍濃染がみられ、3D-CTAphaseと仮想注腸像を合成したmultiphase fusion像では病変と周囲組織との位置関係も容易に把握できる。
診断 : 上行結腸癌
解説 :
CTの仮想内視鏡像でも通常の大腸内視鏡像と遜色のない画像が得られている。また、血管走行や腫瘍と周辺組織との位置関係などを立体的に把握できる multiphase fusion像の作成も可能となり、限られた視野の中での正確な手術操作が求められる腹腔鏡下大腸癌手術の術前シュミレーションにも威力を発揮している。CT装置の高性能化、多列化によって様々な画像処理が可能となり、どのような画像を作成するか悩ましくもある。

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