167)80歳代、男性。心不全。 |
>画像所見 : 来院時単純CTとUS:腹腔内に大量の腹水が貯留している。肝臓は小さく、肝硬変と紛らわしいが、USでは肝表面は平滑で肝内部エコーも均一に出されており、肝硬変症は否定できる。 15日後の単純CT:腹水はほぼ消失し、肝臓の大きさもほぼ正常に回復している。 >診断 : 大量の腹水貯留(massive ascites) >解説 : うっ血性心不全と低アルブミン血症などが原因で、大量の胸腹水貯留をきたした症例である。利尿剤などによる保存的治療で腹水は短期間で消失し、肝臓の大きさも正常に回復した。腹腔内臓器は種々の原因で容易に形状が変化する。特に、大量の腹水貯留例では、肝臓が圧縮されて肝硬変と紛らわしいことがあり、注意を要する。 |