159)20歳代、男性。腹痛と発熱 |
>画像所見 : 注腸X線検査(バリウム注腸による小腸二重造影):終末回腸の片側性変形と縦走潰瘍(←)が明らか。この縦走潰瘍は弧状に走行する小腸の小弯側(腸間膜付着側)にみられる。 >診断 : クローン病(Crohn's disease) >解説 : 主として若年成人にみられる原因不明の肉芽腫性炎症性腸疾患。若年成人で不明熱、腹痛、下痢、体重減少、貧血などがみられればクローン病も念頭に置く必要がある。大腸クローン病は敷石像(cobblestone appearance)が主体であるのに対して、小腸クローン病では縦走潰瘍を認めることが多い。特に、腸間膜付着側に縦走潰瘍がみられれば疾患特異的といえる。潰瘍性大腸炎と異なり、本症で血便を認めることは少ない。 <メモ> ・縦走潰瘍をきたす疾患の代表はクローン病と虚血性大腸炎。 ・腸間膜付着側に縦走潰瘍のみられるのはクローン病のみ。 |