日々の症例 155 好酸球性肉芽腫




1551歳代、男児。左下顎部の腫脹と発熱。

>画像所見 : 
骨単純X線像:左下顎骨に境界明瞭で硬化縁を伴わない骨透亮像がみられる。
CT:左下顎体にやや不整形で境界明瞭な膨張性腫瘤がみられる。内部は単房性で、densityは筋肉と同程度である。
>診断 : 
好酸球性肉芽腫(Langerhans cell histiocytosis
>解説 : 
顎骨には歯が存在するという特殊性から、多種多様な嚢胞性あるいは腫瘍性病変が発生し得る。従って、好発部位と好発年齢は勿論のこと、歯との関連性の有無を確認することから画像診断はスタートする。本例は、口腔内からのopen biopsyで診断が確定した。
 Langerhans cell histiocytosisはかつてHistiocytosis Xと呼ばれた好酸球性肉芽腫、Hand-Schuller-Christian病、Letterer-Sibe病の総称。本症の骨病変は硬化縁を有しない骨吸収像や打ち抜き像が基本。頭蓋骨の変化は板間層に始まり、不均等に内板と外板が破壊されるため、二重輪郭を呈し地図状頭蓋(geographic skull)と呼ばれる。顎骨では浮遊歯(floating teeth)が有名。


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