150)肋骨骨折 150-1) 20歳代、男性。検診の胸部単純写真で異常を指摘された。 |
>画像所見 : 胸部単純写真:左中肺野外側になだらかな立ち上がりを示す2cm大の腫瘤影がみられる(→)。 CT:左第6肋骨の骨折が明らか。骨片がややずれており、骨硬化も目立つ。胸部単純写真で 腫瘤状にみえているのは、骨折部の骨硬化と化骨形成そのものと考えられる。 >診断 : 陳旧性肋骨骨折 >解説 : 胸部単純写真で古い肋骨骨折部が一見腫瘤状に見え、肺癌や胸壁腫瘍、あるいは骨腫瘍などと紛らわしいことがある。過去画像との比較読影、外傷などの既往の有無、陰影の濃度などから鑑別は可能で、わざわざCT検査で確認するほどのことはないのだが・・・ |
150-2)50歳代、男性。転倒で、胸部打撲。 |
>画像所見 : 条件を変えながら詳細に観察すれば、胸部単純X線写真でも左第6肋骨骨折は確認できる。CTではさらに明瞭に骨折が確認できる。 >診断 : 肋骨骨折 >解説 : 本例は、骨片のずれがあるので、Chest X-p でも詳細に観察すれば骨肋骨折が確認できるが、骨片のずれがない肋骨骨折の画像診断は意外と難しく、慎重に対応しなければならない。外傷直後の単純X線写真で異常なしと診断したにもかかわらず、仮骨が形成される1〜2週間後の再検査で肋骨骨折の存在がはっきりしてくることは稀ではない。 |