141-1)70歳代、女性。眩暈の精査。 |
>画像所見 : 第3脳室の後上方に三角形の髄液腔がみられる。左半球のbrain atrophyが目立つ。 >診断 : 中間帆腔(cavum velum interpositum) >解説 : 中間帆腔(cavum velum interpositum、脳室間腔)は第3脳室と脳弓の間に存在し、後方に底辺を持つ三角形の髄液腔で、脳萎縮やくも膜下腔拡大のある症例では脳槽の拡大と共にしばしばみられる。新生児・乳児でもみられることがあるが、通常は、成長に伴い消失するとされている。 |
141-2)40歳代、男性。スクリーニング |
>画像所見 : 両側の側脳室前角の間(透明中隔)に細長い随液腔がみられる(↓)。さらにこの随液腔は側脳室体部の間にも伸びている(△)。 >診断 : 透明中隔腔とヴェルガ腔 >解説 : 通常、透明中隔腔の後部(ヴェルガ腔)は生下時既に閉鎖しており、前部も生後3ヶ月までに閉鎖する。前部が開いておれば透明中隔腔(cavum septum pellucidum)で、側脳室前角間に存在する髄液腔としてみられる。後部が開いておればVeruga腔(cavum Vergae)で、側脳室体部間の台形の髄液腔としてみられる。ヴェルガ腔が単独で存在することは非常に稀。小児では高頻度にみられるが、成人でも2〜4%にみられる。normal variation だが、髄液循環障害をきたして慢性頭痛などの原因になることもあるとされている。 |