日々の症例 139 進行胃癌



13950歳代、男性。体重減少。

>画像所見 : 立位胸部単純写真で左横隔膜から2cm以上離れて不整形の胃泡がみられる。
>診断 : 進行胃癌

>解説 : 
立位単純X線写真で胃内腔のガス(胃泡)がみられないことも多いが、胃泡が描出されている場合はその形状および位置にも留意する必要がある。フェルソンの教科書によれば、横隔膜-胃泡間距離は88%が1cm以下で、2cm以上離れている症例は1%以下である。大量の腹水や胸水貯留、あるいは胃噴門部腫瘍で横隔膜-胃泡間距離が大きくなる。
  本例は胸部単純X線写真で胃胞の異常を指摘し、Borrmann 4型胃癌が発見された症例である。


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