日々の症例 94 びまん性特発性骨増殖症                        




94-1) 70歳代、男性。頸部違和感

  

>画像所見 : C3からC6椎体前方に突出する骨棘形成がみられ、下咽頭および頚部食道は圧排されている。腰椎の椎体にも前方および側方に突出する骨形成がみられる。
>診断 : びまん性特発性骨増殖症(diffuse idiopathic skeletal hyperostosisDISH
>解説 : 
椎体前面の靱帯が骨化する比較的commonな脊椎病変である。骨化の主体は前縦靱帯であり、骨化が大きいと本例のように嚥下時違和感をきたしたり、腰背部痛の原因にもなる。OPLLOYL を合併することも多い。中高年者の脊椎、特に下部胸椎〜上部腰椎に好発し、椎体の前方および側方に突出する高度の骨棘形成が4椎体以上にわたって連続性にみられる。硬直性脊椎炎と紛らわしいことも多いが、DISH の方がより高齢で炎症所見がないこと、および仙腸関節炎を伴わないことなどで鑑別できる。
DISH の画像診断基準は以下の3項目である。
14つ以上の椎体にまたがる連続性の骨化あるいは石灰化
2)椎間板は比較的保たれ、vacuum phenomenonなどの椎間板変性所見もない
3)椎間関節や肋骨椎体関節、仙腸関節に骨性硬直がない

94-2) 40歳代、男性。

>画像所見 : Th12/L1からL4の椎体前方に骨化あるいは石灰化が連続性に広がっている。仙腸関節には著変認めない。
>診断 : DISH
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