93-1)40歳代、男性。前胸部痛。掌蹠膿疱症で皮膚科に通院している。 |
>画像所見 : >診断 : 胸肋鎖骨肥厚症(sternocostoclavicular hyperostosis) >解説 : 寛解と増悪を繰り返して慢性に経過する原因不明の非化膿性骨化性骨膜炎で、細菌感染(特に扁桃炎、齲歯など)による細菌アレルギーや歯科用金属アレルギー、喫煙などが発症に関与していると考えられている。30〜50歳代に好発する。半数以上が掌蹠膿疱症を合併する。左右対称に第1肋骨〜肋鎖関節部にかけての異常な骨化がみられ、病変部の疼痛や腫脹を伴う。頑固な肩こりを訴えることも多い。骨シンチで特徴的な異常集積を認めれば診断は容易。 掌蹠膿疱症や座瘡などの皮膚病変には炎症性の骨関節病変を合併することが知られるようになり、主要兆候であるsynovitis(滑膜炎)、acune(座瘡)、pustulosis(膿疱症)、hyperostosis(骨肥厚症)、osteitis(骨炎)の頭文字を取ってSAPHO 症候群と呼称される。 |
93-2)80歳代、首〜肩にかけての痛みと両側第一肋骨部の腫大。 |
>画像所見 : 胸部単純X線写真では胸肋鎖関節部の硬化像が目立つ。CTでも胸肋鎖関節部の肥厚と骨硬化、関節裂隙の狭小化〜消失がみられる。 >診断 : >解説 : 胸肋鎖骨肥厚症では8割以上の確率で皮膚病変がみられるとされている。本例も検査後に確認したところ、やはり掌蹠膿疱症で皮膚科通院中とのことであった。 寺元記念病院画像診断センターへ |