3-1) 80歳代、女性。頭部スクリーニングCT |
>画像所見 : 右頚静脈孔(太↑)が左側(細↑)に比して明らかに拡大している。骨破壊はない。 >診断 : 頚静脈球高位(high position of jagular bulb, protruding juglar bulb) >解説 : 頚静脈孔には内頚静脈の他に第9,10,11脳神経が走行している。この頚静脈孔が拡大し、耳鏡検査で内頚静脈が鼓膜を通して青みを帯びた腫瘤状に観察できることがある。耳鼻科医にとってはさほど珍しくもないnormal variationと考えられる所見だが、耳鳴りや難聴の原因になることがある。傍神経節腫や神経鞘腫に代表される頚静脈孔腫瘍を鑑別する必要がある。 <鑑別診断> 1)傍神経節腫(グロムス腫瘍) 頚静脈球から発生するExtraadrenal paraganglioma。しばしば小脳橋角部まで進展するので、C-P angle tumorとの鑑別上も重要。浸潤性に発育するため、頚静脈孔の拡大と骨の不規則な破壊像を呈することが多い。放置すると頭蓋内にも浸潤して重篤となる。 2)神経鞘腫(schwannoma) 骨の破壊はまれで、圧排と菲薄化が主体。他の神経鞘腫と同様、壊死や嚢胞変性を伴い易い。 |
3-2) 60歳代、女性。頭部スクリーニングCT |
単純CT Aから順に4mmずつ頭側のスライス |
>診断 : 頚静脈球高位(high position of jagular bulb, protruding
juglar bulb) |