症例 202 下大静脈変異




202-170歳代、男性。

>画像所見 : 左総腸骨静脈から起こって腹部大動脈の左側を上行し、左腎静脈に合流する太い静脈がみられる。本来の下大静脈は正常にaorta の右側を上行している。
>診断 : 重複下大静脈(double IVC

>解説 : 
右卵巣・精巣静脈は下大静脈に注ぐが、左卵巣・精巣静脈は左腎静脈に注ぐ。この左卵巣・精巣静脈が拡張している場合には重複下大静脈と紛らわしいこともあるが、卵巣・精巣あたりから起始しているか、総腸骨静脈から起始しているかに注目すれば鑑別できる。170)参照

 202-280歳代、男性。

>画像所見  : 左右の総腸骨静脈は合流してaorta の左側を上行して左腎静脈に注いでいる。腹部大動脈右側を上行するはずの下大静脈はみられない。
診断 : 左下大静脈(left IVC
解説 : 下大静脈-腎静脈の先天奇形としては、left IVCdouble IVCretrocaval uretercircum aortic renal veinleft retroaortic renal veinazygos continuation194参照)などが挙げられる。どうせ忘れてしまうが、発生学の教科書を参照すると理解しやすい。

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