17-1) 70歳代、男性。1ヶ月前から右鼠経部痛が出現し、この間寝たきり状態であった。 |
>画像所見 : 右恥骨上枝から恥骨体の骨融解像と骨折線がみられる。3ヶ月後の骨X-pでは骨破壊がさらに進行している。 >診断 : pubic osteolysis >解説 : pubic osteolysisは骨量減少症の老人に発生する恥骨部の骨融解性病変で、外傷の既往を有することが多い。恥骨部痛出現後平均2カ月(0週〜15カ月)で骨融解像がみられるようになり、保存的療法で恥骨部痛の軽減と共に骨硬化像が出現する。骨折の修復機転において何らかの異常が起こったために生ずると考えられている。 本例は初診時から徐々に骨破壊が進行したため、4ヶ月後に針生検を施行した。病理像は線維性結合織と血管増生の強い肉芽性組織からなり、悪性所見は得られなかった。その後安静臥床で恥骨部痛は軽減した。 |
17-2) 70歳代、女性。2週間前から鼡径部痛が出現。CRPやや上昇。 |
>来院時 : 左外閉鎖筋の腫大および恥骨部の軽い軟部腫脹がみられるが、恥骨には大きな異常は認めない。 >2ヶ月後 : 左恥骨に溶骨性変化と骨折が出現。 >6ヶ月後 : 溶骨部に骨硬化がみられる。 >8ヶ月後 : 骨硬化はさらに進んでいる。 >診断 : public osteolysis |