日々の症例 158 アミロイドアンギオパチー




15890歳代、女性。アルツハイマー病。傾眠傾向が続く。

>画像所見 : 大脳皮質、および皮質下に出血巣が多発している。側脳室内にも出血がおよんでいる。
>診断 : アミロイドアンギオパチー(cerebral amyloid angiopathy
>解説 : 
脳皮質や脳軟膜の動脈にアミロイド沈着する病態で、脳虚血や大脳皮質あるい皮質下に限局した多発性出血をきたす。高齢者の皮質下出血の原因として重要で、二次性に硬膜下出血やくも膜下出血を伴うこともある。アルツハイマー病で高率にみられる。若年者の皮質下出血では動静脈奇形の破綻、高齢者ではアミロイドアンギオパチーを疑うのが鉄則。
 確定診断のためには脳生検や血腫除去術などで得られた標本の確認が必要だが、一般的には以下の「Boston診断基準」を用いて臨床的に診断する。
 <臨床的にほぼ確実 probable CAA> 以下の3点を満たす。
  1)脳葉型、皮質あるいは皮質下に限局する多発性出血、 
  2)年齢55歳以上、 
  3)他の出血の原因の欠如 
 <疑いpossible CAA> 以下の3点を満たす。
  1)脳葉型、皮質あるいは皮質下の単発性出血、 
  2)年齢55歳以上、 
  3)他の出血の原因の欠如 


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