日々の症例 145 正常の指圧痕




1454歳、女児。

>画像所見 : 頭蓋骨広範囲に指圧痕が目立つが、縫合線(矢状、冠状、人字縫合)の離開はない。頭蓋内圧亢進に起因するトルコ鞍のpressure sella の所見もみられない。
>診断 : 正常の指圧痕(digital impression
>解説 : 
頭部打撲のため撮像された頭蓋骨X線像である。指圧痕は大仙門の閉じた2歳以降の幼児では通常にみられる変化で、頭蓋骨と脳の発育のumbalance による頭蓋骨内板の凹凸菲薄化である。長期におよぶ頭蓋内圧亢進があると指圧根は増強するが、この場合は縫合線の離開がほぼ必発で、pressure sella と総称されるトルコ鞍の拡大や骨皮質の菲薄化も生じ得る。

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