114-1) 60歳代、男性。検診の胸部単純写真で異常を指摘された |
>画像所見 : Chest X-p:心尖部のさらに外側に淡い濃度上昇がみられる。右肋横角で心陰影がシルエットアウトしており、三角形の陰影がみられる(↓)。 CT:心膜の周囲に多量の脂肪沈着がみられる(*)。 >診断 : 心膜外脂肪 (pericardial fat pad) >解説 : 心横隔膜角には脂肪が沈着しやすく、心陰影をシルエットアウトする。この心膜外脂肪沈着が多量になると縦隔腫瘍や肺内病変などとの鑑別を要することもあるが、CTを撮像すれば容易に鑑別できる。 |
114-2) 40歳代、男性。検診で異常陰影を指摘された。 |
>画像所見 : Chest X-p:正面像では右心横隔膜角に三角形の腫瘤影がみられ、右2弓は不明瞭(シルエットアウト)になっている。側面像でもこの腫瘤は肺門部に底辺を向けた三角形であることが分かる。 >診断 : 心膜外脂肪塊(pericardial fat pad) >解説 : pericardial cyst が鑑別に挙がるが、胸部単純写真の正側像いずれでも三角形の陰影であることから、pericardial fat によるものであることは胸部単純写真を見慣れた者にとっては容易に診断できる。 寺元記念病院画像診断センターへ |